クドケンブログ【繁盛院の教科書】

新規集客の基本から売上アップの最新ノウハウまで!これからの治療院業界を生き抜いていくために必要な経営の情報を分かりやすくお伝えします。

 

 工藤謙治

負けるUSPとは?

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こんにちは、工藤です。


今日は貧乏治療院の
USP(ポジショニング)戦略を

中野に新規オープンした
うどん屋の戦略ミスから
解説していきます。


ポジショニングは新しく
治療院をオープンする先生にとっても
もちろん大事な話ですが、

すでに長くその土地で治療院を
開業されている先生にも大事ですよ。


近所に新規オープンする治療院は
本日お話するようなことを
しっかりと考えているので、
長期的には脅威になります。


USP(ポジショニング)を
正しく理解し、今の治療院経営を
さらなる安定へと導きましょう。


では本題…、


昨年末くらいだと思いますが
僕の住んでいる中野駅に
新しいうどん屋ができました。


値段帯はかけうどんが680円、
メイン商品の価格は1000円前後です。


味は特に特徴もなく、
文句なく美味しい部類です。


ただ、すごく感動するほどの
旨さではありません。
※(あくまで僕の主観です)


実は、僕はうどん屋がオープンする
前から看板と値段を見て、

「これは経営が1年もたないな…」

と、うどんを食べる前から
予測しておりました。


ではここで犯してしまった
うどん屋の”ミス”とはなにか?


治療院に置き換えながら
お伝えしていきます。


先ほどもお話ししたように
味は文句なく美味しい部類です。


ただ、誰かに

「どんなうどん屋さん?」

と聞かれたら、


「うーん、美味しいうどん屋」

としか答えられません。


↑ココ、すごく重要です。



「何がいいの?」

と聞かれたときに、
当たり障りのない答えしか
出てこないのは危険です。


先生の治療院の
患者さんがお友達から

「ねぇ○○治療院(整体院)って
 どんな治療院?何がいいの?
 腰が痛いから探しててさぁ…」

と聞かれたときに、


「私はいい治療院だと思うよ」

としか答えられなかったら
危険だということです。


では、
どう答えたら正解なのか…?


それは、

「どんなうどん屋さん?」

と聞かれたときに…


「値段だけみると、はなまるうどんや
 丸亀製麺のほうが安いけど
 麺がすごく特徴的で噛み切れないくらい
 コシがあって初めての食感だったよ」

「多分東京であの麺はあそこの
 うどん屋さんしかないんじゃないかな」

と答えるのが正解です。


「麺」が独特で他になく美味しい
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

これが選ばれる
(おすすめする)理由です。


もう1つ正解をあげます。


「どんなうどん屋さん?」

と聞かれたときに、


「値段はそこそこかな。
 安くはないけど、お得だよ。

 量が3玉まで無料で
 無料トッピングもチェーン店より
 充実していてお得感がある。

 値段以上の満足感はあるよ」

※実際は↑上記のサービスは
 やってないですよ


この場合は
量(ボリューム)が
選ばれる理由になります。



さらに、
もう1つ正解をあげます。


「どんなうどん屋さん?」

と聞かれたときに、


「席が広くて内装が豪華で
 うどん屋なのにおしゃれ、

 女性向けになっていて
 メニューとかデザートも充実で
 接客もレストランくらい丁寧。

 ほとんどが女性客で
 今までの女性が入りづらい
 うどん屋のイメージと違うよ」

※実際はカウンター中心で
 おしゃれでもなんでもないですよ。


これは、女性向けに特化し、
内装や接客に他との違いを
生んだケースです。



どうでしょうか?

上記3つの事例で
USP(ポジショニング)とは何か
感覚でつかめてきましたか?


これを治療院に置き換えると、

なんとなく、値段相応にいい治療院
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ではダメということなんですね。


「いろいろな治療院に行ったけど
 他の治療院にはなかった治療法で
 一回で変化を実感した。

 値段は安くないけど満足の価格」


とか、


「駅から近くで、
 女性専用かと思うくらい
 内装もキレイになっていて、

 先生もスタッフも全員女性で
 女性の患者さんに対して
 とにかく配慮されているの」


とか、


「先生がとにかく良い人でね、
 マスコミとかにもよく出てて、
 なんかのランキングで
 ずっと1位らしいよ。

 院長さん以外も他の治療院より
 とにかくすごく感じいいの!」


などが正解ですね。



まとめますと、
USPにおいては
うどん屋も治療院も一緒。


「どこがいいの?おすすめは?」

と聞かれたときに、


「○○が他と違っておすすめです」

と”具体的に”答えられたら正解です。



さて、ここで
先生にひとつ質問です。


仮に先生の治療院の
常連さんがお友達や家族から

「○○先生(あなた)の治療院は
 他の院より何が良くて
 そこに通っているんですか?」

と聞かれたらなんと
常連患者さんは答えますか?


少し考えてみてください。



そして、
もう1つUSP(ポジション)を
考える上で大事なのが『地域性』です。


前回のメルマガは
『地域No.1になる方法』
というテーマでお伝えしましたが、

先生のUSPは
地域の環境によっても変わります。


この中野のうどん屋さんの悲劇は
近くになか卯(うどんもある牛丼屋)、
安い牛丼チェーン、人気ラーメン店、
ハンバーガー店、定食屋さんに
囲まれているということです。


さらに徒歩1分の距離に
マルイというデパートがあって
おしゃれなレストラン街があります。


しかも駅の反対側には
はなまるうどんもある上、
中野はラーメン店の超激戦区です。


うどん屋を開業するには人通りも
人口もランチ時の人の数も十分ですが、
それらはライバル店舗に
根こそぎ持って行かれます。


体育系の男子学生や
サラリーマンは
がっつりこってりラーメン店へ…

ご飯系が好きな人は
ガッツリ定食系へ…

値段重視ならば
牛丼チェーン店へ…

女性はおしゃれなカフェか
マルイの上のレストラン街へ…


つまり、このうどん屋さんの
ターゲットが他に流れてしまう
立地なのです。


もう一度言いますね。


USP(ポジションニング)は
地域のライバルとの
相関関係によって作られます。


この670~1000円を
メインとする価格で
うどん屋さんをやっていくには
ちょっと厳しいのです。


しかも、カウンター中心で
女性受けが悪い男性向けの内装、
外装なので女性客も入りません。


食べたらすぐに
出なければいけない
雰囲気のお店作りなので、

会話をしながら食べることも
ままならないのです。


これは開業当時からの
USPの選択ミスです。


……と、ここまで
うどん屋の話をしましたが、


重要なことは、

これが治療院でも
~~~~~~~~~~~~~~~~
よくある話だということです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


多くの先生は、


腕が良ければ…

これだけ人がいれば…

昔から住んでいる土地だから…

物件がたまたまお手頃で
空いていたから…


などなど、かなり適当に
治療院の立地を選んでいます。


そして自分のやりたいように
治療院のコンセプトや
価格を決めてオープンします。


先程も言ったように
立地(ライバルのUSP)に
よっては、こちらのUSPを
変更しなければならないのです。


USP(ポジションニング)は
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
地域のライバルとの相関関係。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


このお話が関係するのは
新規出店のときだけでは
ありませんよ。


今は繁盛していると思っても、
ライバル院が後から
先生の今の治療院のUSPを見て
参入してくるからです。


「うちは長年やっているから
 大丈夫だよ!」


と高をくくらないでください。


後からの新規参入治療院でも
新規集客力があれば
あっという間にひっくり返ります。


僕はそうやって
新しい治療院に淘汰され
潰れた治療院をたくさん見てきました。


クドケンが
コンサルや集客に入り、
その影響で潰れた治療院も
僕は知っています。


しかし、
ライバルだって商売です。


少しでも自分の治療院を
繁盛させたいのです。


USP競争に負けてしまえば
治療院といえども倒産です。


先週もお伝えしましたが、
常に地域No.1でありたければ、
ライバルを監視するのです。


今回はうどん屋の
USPミスを通じて
お話をしてきましたが

同じようなことが
全国の治療院でも起きております。


先生の治療院は
大丈夫かと思いますが、


もしもクドケンが
また新規出店で治療院を
先生の地域でオープンさせるならば、


先生のUSPを研究しつくし、
選ばれる、競えるポジションを
設計してから参入します。


そして、3年もあれば地域で
一番繁盛する治療院にします。


このメルマガを読んでいる
先生なら大丈夫かと思いますが、

これからますます
治療院業界は人が増えて
新陳代謝を繰り返します。


是非、メルマガ読者の先生には
勝者のほうに入っていただきたいです。


また、メルマガの感想なども
送ってください。


今回は中野の新規うどん屋に
学ぶUSP戦略でした。


本日も最後までご覧いただき
ありがとうございました。

Writer

工藤謙治 工藤謙治の記事一覧

治療院業界にマーケティングを持ち込んだ第一人者。全国47都道府県に顧客を持ち、これまで1060院以上の治療院の売上アップに貢献してきた株式会社クドケンの代表取締役社長を務める。また自社グループでも整体院、美容整体、鍼灸院を複数舗展開し、毎年2~3店舗をスピート開業。常に自らの経営ノウハウ、集客ノウハウを現場で検証し、正しく再現性の高い情報を業界に伝えることを信条とする。理論、ノウハウだけのコンサルタントとは一線を画し、現場・実学でその実力を証明しつづける治療院インターネット業界で最も影響力のある人物といえる。

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